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2010年03月02日

日本郵船歴史博物館


まっさんです。


昨年、Y150という横浜開港150周年記念事業が開催されました。私が、

所属する神奈川インテリアコーディネーター協会もこの行事に参加しまし

た。その際、標記の歴史博物館を訪れる機会がありましたので、ご紹介し

ましょう。

この博物館は、関内地区(海岸通)に昭和11年、和田順顕建築事務所の

設計により、日本郵船横浜支店として建てられました。

日本郵船は、三菱グループ創始者、龍馬伝でおなじみの岩崎弥太郎が、土

佐藩の回漕業者である九十九商会を継承したのに始まる我が国最古の船会

社です。かつて大桟橋からは日本郵船所属の大型客船が次々と船出してい

き、現在、横浜港に係留されている「氷川丸」は、日本郵船が保有してい

た旅客船です。

この建物の最大の特徴は、正面の16本にわたる大オーダーのコリント式

列柱。横浜に建てられた古典主義様式の建築物のなかで最後のものです。

昭和63年までは海岸通りに税関と郵船ビルの間に三菱倉庫の建物があり、

3つの建物が調和をもって並んでいました。近代化産業遺産に認定されて

います。この建物を見るだけでも一見の価値があると思います。

館内は、8つのブロックに分けられています。古き良き時代の雰囲気を醸

し出しており、現代建築にはないアールデコの印象が色濃く感じさせられ

ます。どのブロックもユニークな展示がなされていますので、一度ご覧に

なって下さい。

2月から6月までは、日本郵船氷川丸に代表されるアール・デコというデ

ザイン様式に注目した企画展を開催しています。1920~30年代にかけて、

豪華客船は全盛期を迎えていました。また同時に、アール・デコが隆盛を

極めたのもこの時代でした。豪華客船の時代は、まさしくアール・デコの

時代でもあったのです。

日本郵船氷川丸のインテリアと、同時代の客船ポスターやパンフレットを

中心に、モダンなデザインの数々を紹介しています。なかでもポスターは、

著名なグラフィックデザイナー里見宗次氏(1904-1996)が手がけたもの

もあれば、今まで存在が明らかになっていなかった日本郵船の船客課技師

(お雇いデザイナー)がデザインしたものも含まれます。いずれも斬新か

つ多様なアール・デコをご覧いただけることでしょう。

また、当時「モダンガール」と呼ばれた乗船客のファッションも紹介して

います。船のインテリアや印刷物がアール・デコであるならば、乗船する

人々の服装もアール・デコでした。

日本郵船氷川丸はもちろんのこと、同時代の船や、その船をとりまく様々

なもの、人に注目することで、船とアール・デコの深いつながりをご覧い

ただけることでしょう。


  


Posted by massan&junjun at 21:44Comments(0)