2010年04月11日

ウールについて


まっさんです。

 昔、高校の化学部に入部した時、繊維の実験に駆り出された事があります。

 その時は、確か銅アンモニア人絹といって、アンモニアの溶液の中に、注

射器で原材を流し込んで繊維状に押し出したものを、巻きつけたように記

憶しています。18歳位の頃の楽しい思い出です。確か、文化祭で発表し

たような気もします。

 さて、この繊維ですが、天然ものと化学繊維の2種類あります。まず、天

然繊維ですが、天然の繊維をそのまま採取したものです。当たり前ですね。

 天然といっても、また2種類あります。1つ目が植物繊維です。セルロー

スという炭水化物から出来ています。2つ目が動物繊維です。哺乳動物の

体毛や繭から採取します。アミノ酸からでるたんぱく質によって出来てい

ます。

 次は化学繊維です。もうご存知の方も多いと思いますが、レーヨン、アク

リル、ポリエステル、ポリプロピレンといった製品です。

 例えばこれらの製品を使って何が出来るでしょうか。カーペットを例に説

明しましょう。カーペットは肌触りが良くて見ているだけで気持ちが大ら

かになる本当に床の仕上げ材として無くてはならないものです。

 では、このカーペットに使われる代表的な繊維について説明しましょう。

 一番ポピュラーなのが、ウールです。ウールはコットン(もめん)と並んで

消費量が多く主にニュージーランド産が有名です。ここでウールの七不思

議をご紹介しましょう。

「特徴その1」

 タイルでは、エコカラットのように調湿作用のある素材が出来ています

が、ウールの表皮はうろこ状に重なっているので、周囲の湿度の調整をす

る役割があります。その吸湿力は綿の約2倍、ポリエステルの約40倍と

いわれています。

「特徴その2」

 ウールはイメージとして冬暖かいという感じがします。でも夏にはウール

の毛が1本1本ばねのように縮れているので、空気をその縮れの中に蓄え

る事が出来るのです。つまり、夏場でも冷房をしている部屋の空気をその

縮れに貯めているので、気温の上昇が抑えられるのです。不思議ですね。

「特徴その3」

 意外と思われるかもしれませんが、燃えにくい素材なのです。これは、ウ

ール内に窒素が大量に含まれており、例えタバコの火が落ちても煙が少な

く有毒ガスも殆どでません。使われる場所としては旅客機内、病院、ホテ

ルが考えられます。また、吸湿性が高く、水分も大量に含んでいます。

「特徴その4」

 汚れずらいのです。表皮の外側にエピキューティクルという膜があるため

です。その膜は水をはじき、染みがつきずらいのです。ですから、こぼし

てもあわてず、すぐに拭き取ればいいのいです。

「特徴その5」

 染めの発色性が優れている。染料が吸湿作用によりすみずみまで吸い取ら

れて、しっかりと染め上げられます。従って色落ちしにくいのと光沢がい

つまでも続くといった特徴があります。

「特徴その6」

 クッション性が高いのです。これは、繊維がクリンプ(ちじれ)によってコ

イルスプリング状となっており、弾力性に富んでいるのです。ですから、

重い家具をおいても比較的痕がつきずらいのです。

「特徴その7」

 音を吸収する。意外ですが、先ほど説明したクリンプの作用によるもので

す。空気の層を造りその隙間に雑音や騒音を吸収します。また、足音や反

響も防ぎます。

 これほどの長所が多いウールという素材のも短所があります。それは、繊

維の長さが短いので遊びが出やすいという点と、天然物ですから虫やカビ

に侵されやすい点です。また、金額も他の化学繊維よりも高価となります。

 今まで自然素材が最も長期間生活の主流として使われてきました。今後も

こういう流れが変わる事はないでしょう。是非、ゆとりのある方は、ウー

ル素材を使ってみて下さい。




ウールについて



Posted by massan&junjun at 10:38│Comments(0)
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